ねじってなんで抜けないんでしょうね

その原理のキーワードは「摩擦」と「弾性」です。

まず摩擦から
まぁ言ってしまえば、抜けない(勝手に回転しない)理由は摩擦があるからです。
ただ摩擦はどこにでも出てくるものではなく、面と面を押し付けるような力が必要です。

なめらかな斜面の上に箱を置くことを考えます。
箱には重さがあるので、それによって摩擦が生まれますが、同時に斜面を滑り落ちようともします。
斜面が急であれば落ちてしまいますが、緩やかであればその場に留まることが出来ます。

この斜面が、ねじでいう螺旋です。ねじは円柱に斜面を貼り付けたものだと思ってください。
ねじの斜面はかなりなだらかなので、力さえかかれば踏みとどまることが出来ます。

しかしねじの自重はとても軽い上に、どの方向に取り付けられるかもわかりません。
よって「面と面を押し付けるような力」を自重で賄うことは厳しいです。

そこで出てくるのが「弾性」です。
大抵の物体は、力を加えれば変形します。ある程度の変形までは、変形に応じて元に戻ろうとする力が働きます。

ねじを回していくと、螺旋に沿ってどんどん奥へと進みますが、いずれ頭が引っかかります。
引っかかっても尚、力を加えると、頭と胴が引き離されようとする力が働き、変形します。
この変形が生む力こそが、ねじが抜けないような摩擦を生み出すわけです。

ところで、ねじが振動や衝撃に弱いという話は聞いたことがあるでしょうか?
弱いです。
先程の箱が載っている斜面(板とでも思ってください)をハンマーで叩くとします。
箱がずるずる落ちていくと思います。
振動や衝撃によって、箱が浮いてしまえば摩擦はなくなりますし、完全に浮き上がらなくとも摩擦は減ります。

ねじも同じです。
ふと摩擦が弱くなれば、すかさず変形を元に戻そうとします。つまり緩みます。

防止策として、ばね座金というものがありますね。ネジ頭の下にばねを仕込むことで、ある程度振動への耐性をつけることが出来ます。

あとは、これは完全に聞いた話なので本当かわかりませんが
ねじ頭が壊れたりしてドライバーが使えなくなったねじを、振動で外す技術があるらしいです。

ソースを探して動画を漁ったりしてるのですが...ない
見つけたらまた記事書きます