第二の期末試験シーズンが迫ってきているので開発は減速
こんな感じの与太話でお茶を濁していきます
(もう結構濁っているけど)

歯車といえば、加減速だったりトルクの増減だったり
回転するテコとも言えます。
歯数が20:40であれば速度は半分に、トルクは倍になるなんてことは気の利いた小学生なら知っているようなことです。

さて、クイズです。
実用される歯車では、速度比を1:1にする場合、歯数を40:40と丁度にするのではなく、39:41と微妙にずらします。なぜでしょうか?
①摩擦などで失われるトルクを補うため
②歯車の摩耗を抑えるため
③大きさが違うほうが噛み合いが良いため



答えはです。(反転すれば多分見れます)
例えば歯数が同じだった場合、一回転毎に全く同じ組み合わせの歯同士が衝突します。
歯車の製造技術は素晴らしいものですが、所詮人が作るものなので全ての歯が均等とは言えません。そこに差があるというのは絶対の事実です。

例えば、40枚のうち一つだけやたら強い歯が一つあるとします。
対面も歯が40枚の歯車であれば、毎回同じ歯が強い歯の相手をすることになり、一方的にかつ集中的に傷んでいきます。

これでは困るので、歯はできるだけ均等に相手をさせたい...ということで、上のように歯数をずらすわけです。数学的に言えば互いに素の組み合わせにすることで、全ての歯が均等に組み合わさります。

例えば上記の39:41であれば、強い歯は対面の歯車の歯を全て均等にしばき倒しながら回ります。
こっちの方が問題のように聞こえるかもしれないですけど、集中的に負荷がかかるよりは結果的に寿命が長いというわけです。
単純計算で1/40程度の速度で傷んでいくわけですから。

というわけで答えは②です。

今回の説明では先天的な歯の強さを例にしましたが、使用中の後天的な破損ないしは傷などについても同様です。(というか実運上はこっちのほうが多いのかな。知らない)
傷のついた歯面は同様に他の歯も傷つけるので、集中して傷つけるよりは分散したほうが致命傷を先延ばしにできる、という考え方です。

ちなみに、ギア比が1:2やその他の場合も同様です。歯数を20:41とします。
この場合、小歯車の歯は大歯車のそれの倍ほど酷使されることになります。こればかりは歯数の調整ではどうしようもないため、少し強い素材を用いたりと工夫するわけです。

長くなりそうなので設計の話を後ほど...